2016/01/17
nishikino
チョコレートを口に入れると、その濃厚な甘さだけでほっと一息つくことができます。でもチョコレートのすごさはそれだけではありません。実は健康にもよい成分がたくさん入っているんです!チョコレートが健康によい秘密をご紹介します。
チョコレートやココアの原料であるカカオの樹の学名は、ギリシャ語で「テオブロマ・カカオ」。
「神様の食べ物」という意味です。
名前の由来は、1684年パリの医師が書いた論文に「チョコレートは神々の食べ物として相応しい」とチョコレートを称賛する文章があり、それを読んだスウェーデンの科学者が1753年に「テオブロマ・カカオ」と名付けたと言われています。
古代マヤ文明では、カカオは神聖な儀式で使用されたり、薬草と混ぜで病気を治す万能薬として大切に扱われていました。
やがて、スパイスなどと混ぜ合わせてドリンクとなり、王侯貴族などの間で、「飲むと元気になる」という健康ドリンクとして、珍重されるようになったそうです。
チョコレートは、カカオ豆をすり潰して作られる「カカオマス」に、カカオ豆から搾り取った「カカオバター」を加えて、さらに糖分やミルクなどを混ぜて作られます。
つまり、ほぼカカオ豆の抽出物で出来ているチョコレートですが、カロリー的には脂質である「カカオバター」がたっぷり入っていること、さらに糖分が含まれていることから高カロリーとなっています。
カロリーが高いとなると、チョコレートを食べたくても健康面から控えてしまう人もいるでしょう。
しかしチョコレートはただ高カロリーな食べ物ではありません。
古代で薬として扱われていたほど、健康に良い成分がたくさん含まれています。
赤ワインで有名なポリフェノールは、カカオにも含まれています。
カカオポリフェノールは特にコレステロールの酸化を防いでくれるため、動脈硬化といった生活習慣病の予防に効果があると言われています。
また高血圧の人が食べると、血圧が低下することも分かっています。
むしろ健康面を考えると食べた方がよいわけです。
チョコレートには、カフェインが含まれていることも有名ですね。あの、コーヒーや緑茶などにも入っているカフェイン。覚醒効果があり、集中力や記憶力を高めてくれます。
実はチョコレートにはもう1つ、「テオブロミン」が含まれています。これはカフェインと同じ生理作用を起こします。自律神経を調節する作用もあるため、緊張を取り除きリラックスさせる効果があります。
そして、なんといっても一番の注目すべき点は「カカオプロテイン」でしょう。
カカオプロテインは便のかさ増し効果が確認され、便秘に効果があることが分かっています。
これらのチョコレートに含まれる栄養素は、カカオ70%以上が含まれる高カカオチョコレートを食べることで、より効率よく摂取することができます。
高カカオチョコレートは、70%以上、80%以上、90%以上と3種類がありますが、普通のチョコレートに比べると、ポリフェノールが約3~4倍、食物繊維が約10倍も多く含まれています。
一方、ナトリウムは普通のチョコレートの約1/10、糖質が最大で約1/4と少ないです。
このように、普通のチョコレートよりも健康成分が多く含まれている高カカオチョコレートを食べる方が、より健康面でも効果が出やすいと言えるわけです。
意外にも健康に良い効果をもたらしてくれるチョコレートですが、しかしやはり食べ過ぎは注意が必要です。
普通のチョコレートでも高カカオチョコレートでも、どちらもカロリー摂取には気を付けたいのはもちろん、高カカオチョコレートは健康成分がたくさん含まれているのと同時に、普通のチョコレートではあまり気にしなくても良いいくつかの注意点があります。
高カカオチョコレートの製品の中には、カフェイン、テオブロミンともに普通のチョコレートの4倍くらい含むものがあります。
カフェインもテオブロミンも健康成分として適量を摂取するには良いのですが、過剰摂取になれば体には悪影響となります。
子供やお年寄り、また気管支拡張薬などを服用している人は注意が必要です。
高カカオチョコレートには、カカオに含まれる重金属にも注意が必要です。
高カカオチョコレートはカカオ含有量が多い分、この重金属も多く含まれているんです。
2008年に国民健康生活センターが実施した検査において、高カカオチョコレートに含まれるカドミウム、およびニッケルの量は、普通のチョコレートよりも多く含まれています。
カドミウムについてはすぐに健康被害を及ぼす量ではないようですが、やはり入っていない方がいいに決まっていますね。
ニッケルについても、最大で4倍の量が含まれている商品もあるようで、ニッケルアレルギーの報告例も多いことから、注意が必要とのことです。
アフラトキシンは、ナッツ類や豆類、穀類などに生えるカビから出る毒のことで、自然界最強と言われています。大変熱に強く、原料から製品に加工される間にはほとんど分解、除去が困難であり、製品に残留する可能性があります。
つまり、カカオ豆から作られた製品であるチョコレートに、アフラトキシンが残っている可能性があるというわけです。
上記の国民健康生活センターの検査項目にもアフラトキシンがあり、微量ながら検出された製品があったようです。しかし検出された量は、健康被害が出るものではないので安心できますが、そういったものもチョコレートには含まれているということを覚えておきましょう。
チョコレートの健康効果、いかがでしたでしょうか。
チョコレートに含まれる健康成分、積極的に摂取するのであれば高カカオチョコレートがおすすめですが、食べ過ぎると逆に健康被害になる成分も含まれていました。
しかし確かに生活習慣病の予防や、高血圧や便秘などの改善効果があることは間違いないわけ、それだけみれば健康に良い食べ物といえます。悪い面だけに注目してチョコレートは食べない、というのはもったいない話です。
高カカオチョコレートにしろあるいは普通のチョコレートにしろ、適量を守って楽しみながら味わいたいものですね。
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