なかなか痩せられない！太る原因と言われている脂質の意外な働き

体をつくる細胞膜の構成成分の一つが脂質です。三大栄養素と言われている炭水化物やたんぱく質と並ぶほど脂質は体の健康を保つうえで大切な栄養素の一つです。

脂質は細胞膜や血液を作る材料として必要不可欠です。また、炭水化物やたんぱく質とくらべ１グラムで９キロカロリーという高カロリーなので少しの量でも沢山のエネルギーを得ることができます。その他にも、ビタミン類の吸収を助ける役割などもしています。

脂質と言っても様々な種類があり、主に二種類に分けられますが質や含まれている栄養素もそれぞれ違います。脂質はというと太る原因と思われがちですが、体にいい脂質もあるのです。

飽和脂肪酸は肉類やバター、乳製品などの動物性脂質に多く含まれており摂りすぎは太る原因に繋がります。飽和脂肪酸はコレステロールや中性脂肪を増加させる作用があります。また、体の中で固まりやすいという特徴もあります。

不飽和脂肪酸は魚類や植物油などに多く含まれる植物性脂質です。不飽和脂肪酸は血中のコレステロールや中性脂肪の量を調整してくれる役割があります。また、脳神経の発達やアレルギー症状の緩和を手助けしてくれます。

人が生きていくためにはある程度のエネルギーが必要でそのほとんどを食事から摂取しています。一日に必要なエネルギー量を摂取量が上回ると太る原因になります。また、太るメカニズムは食事の内容や食べる順番によっても変わってきます。

脂質は他の栄養素と比べるとダントツでエネルギー量は高いです。しかし、近年太る原因は脂質の摂りすぎではないと言われています。

糖質は多く摂取すると血糖が上昇しますがこの時脳はインスリンを下げるよう体に指示します。そうすると血糖を少なくするために各細胞が体の中に血糖を取り込み脂肪細胞として貯めますが、それらが太る原因となっているのです。

多くの人は脂質と一緒に糖質を摂取しています。糖質も多くのエネルギーをもっているので脂質と摂取すると糖質はエネルギーとしては使われず余ってしまいます。糖質が体内に貯まると脂肪細胞へ変わってしまうので、脂質は糖質を脂肪細胞へ変えるので太る手助けをしていることになります。

脂質の摂りすぎは太る原因にもなりますが、健康にも大きな影響をもたらし時には命にかかわる病気をまねくことにもなります。

動脈硬化とはコレステロールなどが血中にたまり血液の流れが悪くなることをいいます。動脈硬化が進むと血中の酸素が不足し血管に負担がかかります。動脈硬化は心疾患や脳血管疾患を引き起こす原因にもなります。

脂質異常症とは血中の中性脂肪が基準値の量を超えてしまっている状態のことをいいます。自覚症状がないのが特徴で気づいた時には心筋梗塞などを引き起こしてしまっているということも少なくありません。

脂質を摂りすぎると太ってしまい生活習慣病などを引き起こす場合もあります。一方で脂質の中には動脈硬化を予防してくれたり心臓病の予防をしてくれるものもあるのです。

油と聞くと太りそうなイメージですが、ココナッツオイルは悪玉コレステロールを減らしたり便秘を解消してくれる効果があります。また、美容効果やアトピーの改善にも役立つなど油のなかでもダントツでダイエットに向いていると言えます。

この二つは体の中で作り出すことができない「必須脂肪酸」で食事などで摂取しなければいけない油です。えごま油やマヨネーズ、チアシードオイルなどに含まれています。がん予防や悪玉コレステロールを減らすなどの効果が期待できます。

ダイエットをしている人の中には脂質は太るからと敬遠している人も多くいます。しかし太る主な要因は遺伝子によって左右されるといことをご存知でしょうか。主に糖質で太るタイプと脂質で太るタイプにわけられます。

脂質タイプの遺伝子を持っている人は下半身に肉が付きやすいどっしりした体型になりやすい特徴があります。太らないために気を付けるべきポイントは早食いやながら食いをしないこと。そして、塩分を控えた食生活をすることです。

世の中にはどんなに食べても太らない人とカロリーを抑えても太るひとがいますがこれは肥満遺伝子が関係していると言われています。また先天性のものもありますが、不規則な生活習慣をおくり太ることで肥満体質の遺伝子がつくられることもあります。

脂質は太る原因と思われがちですが、ココナッツオイルやえごま油など体にとって良い働きをするものもあります。また他の栄養素と比べると高カロリーで太りやすいですが効率よく摂取することで太るどころかダイエットに繋がることもあります。一方でバターや肉類などには飽和脂肪酸が多く含まれているので摂りすぎると太ってしまい動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす可能性もあります。太る原因は様々で全く食べなというのも良くありませんが、一日の摂取量を知り体にとって良い油を中心に食生活に取り入れることをオススメします。