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一緒に食べてはいけない「うなぎ」の本当の食べ合わせってなに?

実は年4回ある「土用の丑の日」。季節問わず「土用の丑の日はうなぎ」と定番になりつつあります。ところで、昔から食べ合わせの1つに「うなぎと梅干し」があります。でもこれって本当にダメなのでしょうか?うなぎの本当の食べ合わせの食材を探ってみました!

食べ合わせってなに?

食べ合わせとは合食禁とも言い、食に関する伝承の1つです。
そもそも食べ合わせとは、二種類の食べ物を一度の食事で食べることを意味しますが、主に一緒に食べると健康に悪いという二種類の食べ物の組み合わせをいいます。
「食べ合わせが悪い」という言い方もしますね。

基本的には消化に悪いと言われる食材の組み合わせのことを言います。

食べ合わせの考えは、古代中国の食文化に端を発し、中国から伝わった考えに陰陽五行思想を食材にあてはめたものとされています。
そのため科学的根拠のないものと、医学的にも正しいとされている食べ合わせが存在しています。

江戸時代初期に書かれた「養生訓」という本には、たくさんの食べ合わせの例が載っています。
しかし「うなぎと梅干し」という食べ合わせではなく、「うなぎと銀杏」という食べ合わせで記されています。

うなぎと梅干しの食べ合わせ

中国でも「うなぎと梅干し」の食べ合わせが、「食物相尅(克)中毒図解」という本に載っています。
根拠は特に書かれておらず、その解毒方法のみが記載されています。

その方法は「井戸水、湧き水などを飲むのが一番」だとか。

日本ではいつから、「夏の土用の丑の日」にうなぎを食べるようになったの?

日本の「土用の丑の日にうなぎを食べる」という風習は、江戸時代から始まりました。
発明家として有名なあの平賀源内が、「うなぎが売れない」と相談を受けたうなぎ屋に、「本日丑の日」という張り紙をお店に貼らせたのがきっかけです。

これはもともと「う」のつく食べ物を食べると夏負けしない、という風習がありました。
そのため「丑の日」には「うなぎを食べる」という習慣が定着していったのです。

しかし同時に「うなぎと梅干し」の食べ合わせも言われるようになりました。

梅干しにはクエン酸がたっぷり

ところで、梅干しは胃酸の分泌を良くし、食欲を増進してくれます。
また代謝を促し活性化させ、疲労回復の効果もあります。
つまり、もともと夏バテ予防にぴったりの食材なんです。

むしろ「うなぎと梅干し」というような食べ合わせがある方が不思議です。

「うなぎと梅干し」の食べ合わせは実はベストカップルだった!

うなぎにはビタミンB1がたっぷり含まれています。このビタミンB1も疲労回復には欠かせない栄養素です。
そして梅干しのクエン酸との相性は最高にバッチリなんです。

うなぎと梅干しの組み合わせは、いずれの食材も疲労回復に効果的なことから、夏バテ予防と夏のスタミナアップに期待できます。
また梅干しの酸味が胃酸の分泌を促して、うなぎの脂の消化を助けてくれる効果もあります。

「うなぎと梅干し」の食べ合わせは根拠のない民間伝承のようなものだと言えるでしょう。

というわけで、昔から言われていた「うなぎと梅干し」の食べ合わせは医学的に根拠はなく、むしろ贅沢への戒めや過食防止という意味合いの方が大きかったようです。

スイカとうなぎの食べ合わせ

「うなぎとスイカ」の食べ合わせも良く聞かれます。
「天ぷらとスイカ」の食べ合わせじゃないの?という話もあると思いますが、「うなぎとスイカ」という食べ合わせも言われているんです。

そして実はうなぎと天ぷらは同じ理由でスイカとの相性が良くありません。

日本の夏の果物といえばスイカですね。
スイカの果肉約95%は水分ですが、甘さの元である果糖やブドウ糖はエネルギー転換が早く、利尿作用もあるのでむくみ解消に効果があります。

疲労回復に美肌効果と、スイカも夏に最適の果物ではありますが、実はうなぎや天ぷらと相性が悪い理由はその水分の多さで、そこから食べ合わせの1つに挙げられるようになったのでしょう。

「うなぎとスイカ」の食べ合わせは本当だった!

「うなぎとスイカ」の食べ合わせでは、水分の多いスイカをたくさん食べると、胃酸が薄まってしまいます。そこに脂っこいうなぎや油で揚げた天ぷらを一緒に取ると、消化不良を起こしてしまうことがあるのです。

胃腸の弱い人、特に下痢をしやすい人は一緒に食べることは避けた方が無難です。
そういう意味で「うなぎとスイカ」の食べ合わせは本当でした。

うなぎの食べ合わせのまとめ

うなぎと梅干しの食べ合わせは、控えるのではなくむしろ一緒に食べたい組み合わせでした。

うなぎとスイカは一緒に取るのを控えたい組み合わせ、まさに食べ合わせでした。

特に胃腸の弱い人、下痢をしやすい人はこの食べ合わせは覚えておいた方がいいかもしれません。

最近は、夏だけではなくて冬にもうなぎを食べる習慣を普及させようという動きがあります。
元来土用は季節の変わり目であるため、体調を崩しがちなこの時期に栄養を取って健康を維持しようという狙いもあるようです。

これからは食べ合わせを気にせずに、夏だけではなく、「寒の土用の丑の日」にもうなぎを食べて、寒い冬を元気に乗り越えたいものですね。

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