意外と発症頻度の高かったメロンアレルギー。花粉症の人は要注意!
メロンアレルギーは果物のアレルギーの中でも発症頻度の高いものであるとご存知でしたか?そんな身近にあるかもしれないメロンアレルギーとは、どんなアレルギーなのでしょう。その症状や注意点、さらに、意外な花粉症との関係についてご紹介します。
メロンを食べると喉がイガイガする。メロンはおいしいけれど、体調が悪くなるから食べるのは苦手という人、意外と多いようです。それはアレルギーの症状の一つかもしれません。果物のアレルギーは口腔アレルギー症候群と呼ばれ、メロンが原因となることもあるのです。
意外と多いメロンのアレルギー
神奈川県衛生研究所はメロンアレルギーについて、果物アレルギーの中で発症頻度が2番目に高かったと報告しています。
果物アレルギー
最近、果物が原因で起きる口腔アレルギー症候群(OAS)が注目されている。これは、
症状が口腔部分に限定して起きるのを特徴とするアレルギーであり、花粉症との関連も明ら
かとなっている。
今回の調査で最も発症頻度が高かったのは、キウイ(171名)で、ついでメロン(120名)、
モモ(95名)、パイナップル(77名)、リンゴ(71名)、サクランボ(59名)、ナシ(55名)の
順で高かった
メロンアレルギーなどの果物や野菜にアレルギー症状が出る人は、大人も子供も増加傾向にあるようです。子供の場合はうまく体調不良を表現できない場合もありますので、注意が必要です。
具体的なメロンアレルギーの症状
特徴的な症状としては、唇や舌、喉の奥などの痒みや腫れといった口腔症状が見られます。
また、呼吸器や消化器症状、さらにアナフィラキシーショックなどの重篤な状態を引き起こすこともありますので、甘く考えてはいけません。
メロンなど、果物のアレルギーはこうした症状が食べてから、すぐに症状が出るのが特徴的です。食後、15~30分で症状が出ることが多いようです。また、口周囲に症状が出ることが多く、口に違和感が出たり、唇や口の周り、喉がかゆくなるなどが代表的な症状です。このような症状が出たら、メロンのアレルギーを疑ったほうがよさそうです。
多くの果物アレルギーは、まず草木の花粉に対する花粉症になった後、その花粉と似た構造のタンパク質(交差抗原性と言います)が含まれる果物を食べることによって生じます。これらは「クラス2食物アレルギー」とも呼ばれます。
ブタクサ(Beifuß)花粉症の人には、メロンやスイカなどウリ科の果物やバナナのアレルギーが生じやすく、カモガヤ花粉症は、オレンジのアレルギーと関係すると言われています。そのため、口腔アレルギー症状は花粉症の季節に悪化することがあります。
メロンなど果物のアレルギーは、色々な花粉症に合併すること多く、原因食物と花粉症との間には、ある程度の相関が知られています。メロンアレルギー患者にはイネ科の花粉症、ヨモギやブタクサなどのキク科の花粉症患者が多いと報告されています。
従って、花粉症の人は果物アレルギーに対する注意が必要といえるでしょう。
メロンアレルギーってどんな治療をするの?
まず、原因と考えられる食べ物の摂取を避けることが最も重要です。症状が重い場合は救急的に医療機関で受診し、喘息発作やショックに対する対策が必要になることがあります。薬物治療としては、抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬や、ステロイド薬の内服を一定期間行う場合があります。
また、減感作療法と呼ばれる免疫療法も行われています。
減感作療法とは、長い期間をかけて微量のアレルゲンを反復して注射し続けることによって、体を徐々に慣れさせてゆき、アレルゲンに対して反応しない状態にする方法です。
減感作療法には専門医の知識が必要です。決して、自己判断で行わないようにしましょう。
メロンの含まれる食品に注意
メロンそのものだけではなく、野菜ジュースや洋菓子など、メロンの含まれている食品にも注意が必要です。どの食物アレルギーでも同じことですが、食品の原料表示をよく見て購入するように気をつけましょう。
メロン以外にも気をつけたほうがいい事
もし発症してしまった時は
軽く考えての自己判断は禁物です。メロンを食べアレルギー症状が出ているのに、この位ならいいだろうと食べ続けていると重症化する場合があります。医療機関でアレルギー検査を受け、医師の指示に従いましょう。
メロンにもアレルギーがあること、またその症状についてを知っておきましょう。近年増えてきているメロンアレルギー。身近で起きることもあるかもしれません。きちんと知識を持っていることで、メロンアレルギーに直面したとき、正しい判断ができますね。